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ぱしゅみなクリップ

上京したてほやほや女子大生のあれこれ。

【普通って、何?】「規制」される世の中に問いかける。 ”キセイノセイキ展” は絶対に行く価値あり。【東京都現代美術館】

 

 

久々に、美術館に行って衝撃を受けてきました。

きっと一生かけて心に残る特別展だと思う。

 

東京都現代美術館『キセイノセイキ展』に行ってきました。

www.mot-art-museum.jp

今、ここはピクサー展人気がものすごいですね…!

私も実は2週間ほど前にピクサー展に行ったのですが、今日でもまだこの前と同じくらい入場規制がかかっていたのでびっくりしました。

そのピクサー展を見に行った時にこの展示のポスターを目にして、

行きたいな…と思っていたのですが、今回やっと行くことができました!!(Hちゃんありがとうらぶ!!)

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 現代社会はインターネットが発達したことで、どこにいても誰とでも通じ合えるとても便利な世の中になっていますね。

でもその一方で、何を言うのにも「人と違う」ってことが許されない風潮が段々と広まっている。

少しでもマイノリティーな部分があれば、杭が出過ぎれば叩かれて、貶される。

だからみんな「人と違う」ってことが怖くて怖くて仕方がない。

  

 この特別展は、そういった「人と違うことはしない」「規制を守る」 という観点から抜け出してみようというコンセプトになっています。

 

はっきり言って、この特別展はピクサー展を見に来た人が「ついでにいこうか~♪えへへ~♪」なんて軽い気持ちで行くと後でめちゃくちゃ後悔します。

特に、とあるカップルが終盤互いに死にそうな目をしていたのを見てしまったので、

美術に普段関心がない人同士のデートにはこの特別展は向かないね、ピクサー展だけ見てるんるんで帰った方がいいね、と美術を学ぶ女たちは真顔で語っていました。笑

 (一応言っておくと、ピクサー展も本当におもしろかったですよ!!!)

 

 

というわけで、男女関係なく上も下もありのままの物が見えちゃっている展示も結構あります。

あと戦争に関するインスタレーション(展示)も多いです。

簡単に言えば(世間一般でいう)18禁かなりあるよ~!ってこと。

でもこの展示内では「規制」がないことこそが良かったです、とても。

現代美術って正直コンセプトがよくわからないものが多いけど、この特別展はそういう志向だったからか、誰か見ても意味がダイレクトに伝わってくる作品が多かった

 

 

 

さて、展示で気になったものをざっくり紹介。

 

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一番最初にあるこの大きな写真。

女子高校生くらいの制服を着た若い女の子が、テキーラを飲んでいます。

こういっちゃあれですけど、なんだか表情がえろいですよね。うつろで。

高校生という子供と大人の狭間で揺れる年代の何とも言えない葛藤があった時期を、なんとなく思い出しました。

 

この作品の作者である齋藤はぢめ氏は、

「制服」をコンセプトに社会的枠組みを離れることとは何か?という問いを投げかけている作品を多く世に出しているらしいです。

(自分で制服を着た作品もあるらしい…!)

 

 次はこれ。『空白の戦争の記憶』

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写真を見れば気付くと思いますが、額には写真も何も展示されていません。

ここは一つの部屋になっていたけど、展示の説明だけあって本体の物は何もありませんでした。すべてが空白、まっしろ。

 

何もない空白から、私達は先人の戦争の記録について何を見て、感じることができるだろう。

考えさせられました。

 

 

あとはこれも。橋下聡氏のコンセプト・アート。

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包丁が壁にさしてあったり、

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手錠をかけることができたり。

 

この他にも普通のテレビやゲームなんかが展示されていて、普段使っているものもこうして美術館で展示としてみるとまた変わって見えてくるなと。

社会のルールって、当たり前の意味ってなんでしょうね。

 

そして写真に撮らなかったけど

アルトゥル・ジミェフスキの長編映像作品≪繰り返し≫が心にきた。

 

多分知っている方、どこかで見たことがある方も多いんじゃないかな?

 

スタンフォード監獄実験という、普通の健康な大学生何十人かを看守と囚人に半分に分けて、本当の監獄のような生活を行わせるという実験が行われた。

すると何日か経つだけで、囚人は囚人、看守は看守としての自覚を持ち、本当の監獄さながらの囚人は衰弱し、看守は虐待を行う劣悪な環境へと陥ってしまい、実験を途中で中止するまでになった。

ルシファー・エフェクト ふつうの人が悪魔に変わるとき

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この作品は、このスタンフォード実験の再演です。

結論を言えばこの実験もスタンフォードと同じように過激化して、予定の半分も経たずに中止になるんだけど。

映像の看守がとても誠実で、自分が行っていることに非常に苦悩していたのが印象的でした。

ずっと「正しい」ってなんだんだ?と頭の中でぐるぐるしています。

 

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このようなパネルが何個かあったけど、どれも心に突き刺さった。

 

 

なにがすごいかって、

このアンチテーゼたっぷりの展示が「ピクサー展」の真下で行われているってこと。

…これこそ最高の皮肉が込められている気がするのは私だけ?笑

 

 

見終わったら色んなおもりが身体中についた気分になりました。

でもこれは見る価値ある。

とりわけ自分の価値観ばかりに凝り固まって、他の意見は全て批判して自分がすべてだとか考えているような方々に良いだろうな。

 

 

とにかく今時にないくらいめちゃくちゃ反抗的で攻めまくっている、良い展示でした。

現代美術もたまにはいいですね。ではでは!

 

 

現代アート、超入門! (集英社新書 484F)

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現代美術の教科書

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 今週のお題ゴールデンウィーク2016」